
今回は初心者でも安定した収益を得やすい、スワップトレードについて紹介します。スワップトレードで効果的に利益を上げるにはどうすればいいのでしょうか?そのような素朴な疑問への答えはもちろん、基本的なトレードの仕組み、メリット・デメリット、おすすめの通貨ペアまで紹介していますので、ぜひご覧になってください。
スワップトレードの仕組みとは?
スワップトレードはスワップポイント狙いの取引
スワップトレードの仕組みを知るには、スワップポイントを理解する必要があります。スワップポイントとは、通貨間の金利差調整分のことです。例えば、日本の政策金利が0.1%で、米国の政策金利が2.5%だった場合、両国の金利には2.4の差が存在することになりますが、この2.4という金利差のことをFXではスワップポイントといいます。そしてFXで通貨交換を行った際、このスワップポイントを利子収入として受け取ることができます。例えば、ドル円の通貨ペアで買いポジション(円を売ってドルを買う取引)を持ったとき、為替差益とは別に、両国の金利差である2.4のスワップポイントが収入として得られるということです。
このように、通貨間の金利差調整分であるスワップポイントを狙って取引を行うことを、スワップトレードといいます。文字面だけで見ると難しく感じるかもしれませんが、要点はとてもシンプルで簡単です。ある通貨ペアで取引をしたとき、二国間で異なる金利の差額分を、利子収入として受け取ることができるということです。これはドル円に限らず、世界中のどの通貨と交換した場合でも一緒です。交換する通貨の間に金利差があれば、その差額分につきスワップポイントが発生します。
スワップポイントを得るための条件
ただし、スワップポイントはどんな場合でも得られるとは限りません。低金利通貨を高金利通貨に交換すれば得られますが、高金利通貨を低金利通貨に交換した場合は、逆にスワップポイントを支払うことになります。従って、スワップトレードで利益を上げたい人は、自国通貨より高金利の通貨と交換する必要があります。このようにスワップトレードでは「受け取り」だけでなく「支払」もあることを肝に銘じてください。
スワップポイントが付与されるタイミング
では、スワップポイントはいつ付与されるのでしょうか?それはポジションの保有期間に応じて決まります。基本的には1日以上(ポジションを翌日以降に持ち越して)ポジションを保有した場合に付与され、それ以降、ポジションを保有している限り、毎日ポイントが付与されます。従って、ポジションを翌日以降に持ち越さず、1日のうちに決済して解消した場合は、スワップポイントの付与はありません。
スワップトレードのメリットとデメリット
スワップトレードを行うメリットとデメリットは、以下の通りです。
スワップトレードのメリット
・テクニカル分析など難しい知識が要らない
・ポジションを維持するだけで毎日利益が得られる
・レバレッジをかけてスワップポイントを拡大できる
・長期的に安定した利益が見込める
スワップトレードのデメリット
・通貨ペアによってはスワップポイントの「支払い」が生じる
・為替変動による含み損拡大でロスカットされる場合がある
スワップトレードにおすすめの通貨はどれ?
ここでは、スワップトレードにおすすめな4つの通貨ペアを紹介します。
米ドル/円
米ドルは金利こそずば抜けて高くはありませんが、米国自体が大国であり、なおかつドルが世界の基軸通貨ということもあり、政治経済的に安定していて極端な波乱が少ないので、初心者向けの通貨ペアとしておすすめです。また日本円との対比でも安定感があり、相場の見通しが他国通貨より立ちやすいのも魅力でしょう。スワップポイントは1日あたり80円~85円、年換算の利回りは2.0~2.5%です。
豪ドル/円
オーストラリアも米国と同様、政治や経済が安定している国であり、為替相場も安定しています。そして金利が高いという特徴があり、初心者でも玄人でも投資がしやすいのがメリットでしょう。政治経済が落ち着いている分、ボラティリティの波が小さく、投資対象として長期予測が立てやすいのは大きな魅力です。スワップポイントは1日あたり60円~85円、年換算の利回りは1.5~2.5%です。
NZドル/円
ニュージーランドも比較的政治や経済が安定しており、法定通貨のNZドルの信頼性は抜群です。そのことは、昨今、NZドル/円の通貨ペアに人気が集まっていることからも分かるでしょう。スワップポイントは1日あたり70~90円、年換算の利回りは2.5~3.5%です。
トルコリラ/円
とにかく高利回りを期待したい人には、トルコリラをおすすめしないわけにはいきません。トルコリラは世界屈指の高金利を誇り、0.1%の日本金利とは次元の異なる24%(2019年5月現在)を提示しています。スワップポイントは1日あたり80~120円、年換算の利回りも驚異の5.57~10.57%です。
スワップトレードで利益を出すための手法
高金利通貨と交換する
スワップポイントは金利差調整分のことで、金利差が大きいほどスワップポイントも大きくなります。従って、なるべく高金利通貨と交換することで利益拡大を図ることができます。特に長期保有をする場合は、自国通貨より少しでも高い金利の通貨と交換しましょう。ちなみに高金利通貨として知られるのは、20%を超えるトルコリラ、8%台をキープしているメキシコ・ペソ、2019年5月現在で6.75%をマークする南アフリカ・ランド、他に香港ドルの2.75%、米ドルの2.5%、カナダドルの1.75%などもあります。日本円は0.1%と超低金利なので、どの国の通貨と交換しても金利差が生じ、ほとんどの場合で「受け取り」になります。いずれにしても、スワップトレードで利益を出すコツの一つは、高金利通貨と交換することです。
スワップポイントが高い業者と取引する
同じ通貨ペアでも、FX業者によってスワップポイントの高さが異なることも覚えておきましょう。従ってスワップトレードをするときは、業者ごとにスワップポイントを比較し、より高いポイントを提示している業者を選ぶ必要があります。1円ぐらいの違いなら大丈夫と考えるかもしれませんが、たった1円の違いでも取引数量や保有期間の違いで得られる利益が大きく変わってきますので、しっかりと比較して少しでもスワップポイントの高い業者を選びましょう。短期トレードでは手数料を重視しますが、スワップトレードは長期トレードであり、長期トレードではスワップポイントの高さを重視するのが鉄則です。もっとも、長期投資で安定した取引を行うため、スプレッド幅やシステム力などスワップポイント以外のスペックも確認する必要があることはいうまでもありません。
取引通貨ペアを分散する
スワップトレードの基本は低金利通貨を高金利通貨に交換することですが、それだけで安心することはできません。政治情勢の変化や経済動向などによりスワップポイント利益が急激に減少したり、金利差が逆転して「受け取り」が「支払い」に変わることも少なくないからです。そこでこうしたリスクを避けるため、一つではなく複数の通貨ペアに分散投資することをおすすめします。そのようにすれば、ある通貨ペアで損失が発生しても別の通貨ペアでカバーできるなど、リスク分散を行うことができます。また、全ポジションで「受け取り」の金利差が生じていれば、多元的に収益を上げることも可能です。スワップトレードじゃなくても分散投資はリスクヘッジの基本なので、必ず意識するようにしましょう。